2018年5月2日水曜日

病理の話(196)

ぼくは朝食は家で食べる。

昼食は、毎日ボスと一緒に食堂で食べている。A定食かB定食のどちらかだ。460円。主食、椀物、主菜のほかに小鉢が2つつく。小鉢というのは健診センターで出されているお弁当の「残り」のようだが、味に支障があるわけでもなく、安くてうまい。

ということで、朝、昼は、ほぼ同じ時間に同じ場所で食べている。

夕食だけ、ばらばらだ。夕食の時間と場所は毎日異なっている。

職場でおにぎりで済ますこともあるし、帰る途中にクラーク亭(北海道大学の前にあるレストラン)でチーズバーグを食べることもあるし、帰宅するまでがまんして、自宅でプルコギ丼とか醤油ぶっかけうどんを作って食べることもある。



普通のドクターというのは、もう少し食事がたいへんだと聞く。患者を相手にする仕事だ。患者が待っている、となれば、なかなか自分の思い通りの時間に昼食はとれまい。

それに比べて病理医というのは気楽である。ライフサイクルのうち、朝食と昼食が落ち着いているというのは、なかなか精神衛生上よいことだ。




……こういうことを書くと。

お前も医者ならのんびり昼飯なんか食ってないで、さっさと診断をあげろ! 病理診断を今か今かと待っている患者もいるんだぞ! と、お怒りの人が出てくる。

ぼくも、それくらいわかっている。

「今か今かと待っている人」の病理診断をほっぽらかして飯を食うことはない。

ぼくらは「患者が病理診断を早く欲しているかどうか」について、臨床医から逐一情報を得ている。

分単位で診断をあげてほしい人を放っておいて昼飯は食わない。

この仕事、実は、「週単位で待てます」、とか、「そんなに急いで診断を出さなくても今後の方針は決まっています」、という人をかなり相手にしている。

少なくとも大半の「ノルマ」は数日単位で片付けていけば十分なのだ。そういう性質の仕事だ。

だから、自分の決めた時間で昼飯を食える。

まあ、ノルマというのは後回しにするとそれだけ「たまっていく」わけであり、結局一日のどこかでは取りかかった方がよいのだけれど。

しわよせはたいてい、夕食のころに訪れるのだけれど。




夕食の時間を忙しくするくらいなら、午前中からばんばん働けばいいじゃない、という考えの人も、もちろんいる。それは好きにすればよい。

ただ、ぼくの場合は、「邪魔されたくない仕事を集中させている時間」はもっぱら夕方から夜だ。

逆に午前中は、「ひとつひとつの仕事にかかる時間が短くてインターバルが小刻みに挟まる仕事」をすることにしている。

別にぼくが午前中にツイッターをしたいからこうなっているわけではない。

午前中は、「電話による問い合わせ」が多いのだ。こまかな事務仕事も頻発する。だから、2時間以上の集中を必要とする仕事をするには向かないなあ、と思っている。

こればかりは個人の好みかなあ、と思う。




病理の話っていうかこれ病理医の話だね。