2018年11月28日水曜日

フライングプライド

カメラ用品の中にほこりを吹き飛ばすフイゴみたいなのがあるが、最近あれを使って顕微鏡周りやキーボード周りのほこりをびゅんびゅん吹き飛ばしていたら、なんだかくしゃみが出る。

フイゴってすごい字を書くなあ。

鞴。




むかしのマンガで本屋さんがパタパタ棚にはたきをかけていた。

最近ああいうのは見なくなったように思うがどうなんだろうか。

はたきをかければそれだけほこりが飛ぶだろう、なぜあんなことをするんだろう、と子供心に不思議だった。

今ぼくがキーボードのほこりを吹き飛ばして目をこすっているのと何もかわらない。



「書店 はたき」で検索をしてみると、検索結果の上位にはずらりと、

「立ち読みしている客をはたきで追い払う本屋は実在するのか」

という疑問が並んでいた。

つまりはたきなんてものは今や迷惑行為なのである。

クイックルワイパーを使った方がほこりが舞わなくて便利だ。




冒頭に、カメラ用品のフイゴみたいなやつ、と書いたが、正式名称を思い出した。「ブロワー」だったと思う。ドラゴンボールに出てきそうな名前。

はたくからはたき。

ブローするからブロワー。

人間の基本的行動をちょっとだけ拡充するような道具には、たいてい直球過ぎる名称がついている。

教え授けるから教授。

病の理を診て断定する医者は病理診断医。

みんないっしょだ。

ぼくらはときに、ほこりをとばしてかえって空気を悪くしてしまう存在でもある。