2019年5月8日水曜日

これを持っていると出口まで行けるんだゾウくん

地方局の作成したドラマ「チャンネルはそのまま!」を見てからというもの、民放が作成するローカルニュースみたいなもののあたたかさが気になってしょうがない。

20代の頃は歯牙にもかけなかった気がするけれど。

40を越えた今。

「近隣に住んでいるかもしれない人」がテレビでほがらかにしているのを見ると、必要以上に安心してしまう。

もうあと数年もすると涙ぐんでしまうかもしれない。涙ぐむだろう。今もすでにあぶない。

まったく、ぼくの精神はいろいろと弱くなった。




いつのまにかぼくは。

人々のさみしさや孤独を蓄積して、パターンを覚えてしまっている。

「こういう表情の人が、こんなしゃべりかたをするときは、こんな大変なことがあって、こんなつらいことを乗り越えて、それでもなんか前を向いてがんばろうとしているんだよなあ」

みたいに、人がただぼうっとしていたり、何気なく語ったりしているシーンを見ても、勝手に連想がつながるようになった。




想像力、イマジネーションは、経験によって伸びる部分がある。

経験によって増強・補完される「勘」は、人を弱くする。きっと。

そろそろ、「弱くなってしまった人にしかできないこと」をやるフェーズに入っているのかもしれない。





ローカルニュースで札幌市の円山動物園に訪れている親子がインタビューされていた。

母親にだっこされた子供が、母親がインタビューされている最中ずっと、カメラを気にせずに、カメラの後方で歩いているのであろう動物を指さして、

「ゾウだ! ゾウ! ゾウだよ!」

と言い続けているのだ。ぼくはそれを見ていた。

もうほんとに号泣するかと思った。なんの連想なのかはもはやよくわからないのである。