2019年11月19日火曜日

レセプター理論

職場に歯ブラシを置くことで、午後、口の中がすっきりした状態で仕事ができる。

たった一行で言い表せるのに、長年やってこなかった。生活をいい方向に一歩進めることができる、魔法の一行だった。

こういう一行がいっぱいあるんだろうなと思ってツイッターをやっていた。けれどもすぐに気づいた。

「魔法の一行」は、一行しかないので、読み飛ばしてしまうことが多い。



冬のデスクは寒い。だからひざかけがあると快適だ。

たったこれだけのことに気づくのに何年もかかった。だって自分の脳に「ひざかけ」に対する受容体がなかったのだ。「ひざかけ」という言葉を見てもまったく心が動かなかった。意味はわかるのに。どういう役割を果たすかも知っているのに。

一行しかないライフハックは、そう簡単には心に刺さらない。心の方が欲しないと、受け止めることができないのである。




という話を、仏教の「慈悲」とか、医療の「問診」みたいな場面を念頭において、近頃はよく考えている。

受け手の側に準備がない情報を伝えるにはどうしたらいいのか。

それは「伝える」という行為で行うべきものなのか。

そういったところを洗い出す作業は哲学に近い。

だからよく哲学書を読むようになった。こんな何千行もある本、昔は全く読める気がしなかったのだが……。まあ……。心が欲しているのだろうな。