今年の札幌は雨ばかりだ。確か記録的だったはずである。
毎年、天気はきちんと記録しているんだから、いつだって「記録的」だろう、とかつっこまないでほしい。そういうことではない。
追うぜ、どこまでも。てめーをぶっ倒すまでな! それは「ミロク的」である。わからない人はいい。
ビーフステーキを略したらビーステじゃん。カードバトルできそうだよね。違う、それは「ビフテキ」である。わかればいい。
もともと6年4組だったはずの教室も、生徒が減ったら別の部屋に変わっちゃったんだね。「多目的」である。もういい。
こういう文面で記事を書くと自分がにやにやしているのが透けて見える気がしていやだ。
雨が多いと、いろんな感想を聞くことができる。同僚のひとりは、「今年は庭の芝生に水をやらなくてもいいからラクなんだ」と言った。また、他のひとりは、「子供を連れてイチゴ狩りに行こうと思ったんだけど、日照が足りてなくてイチゴがなかったよ」と言った。雨ひとつとっても、これだけ違いがある。受け止め方というのは人それぞれだ。これらの会話を聞いたぼくの感想もまた違い、「どいつもこいつもマイホームに幸せ家族かよ! カーッ! てめぇんちの窓枠ぜんぶカビろ!」である。
北海道には梅雨がないと言われているけれども、実は「蝦夷梅雨」と呼ばれる雨量の多い時期がある。従来は6月~7月にかけての短い時期であるはずが、今年は蝦夷梅雨が6月いっぱい続いてしまった。行楽シーズンだというのに残念なことだ。
ただ、おかげさまで、北海道では雨が続いていても、湿度はそれほど上がらない。本州からやってきた人には「これが梅雨だって? ハッ! いいじゃんこんなさわやかに雨降ってさあ! ぜいたくだよぜいたく!」とか言われて、バカにされる。
本州の人間は、何かにつけて北海道を「最高の土地」「うらやましい土地」「いつか行きたい土地」「でも住めねぇよあんな田舎」と、激しく持ち上げてからたたき落とすのが大好きだ。だからぼくも、首の骨を折らないように上手に受け身をとるクセが付いている。「そうね、おかげさまで、過ごしやすくて、料理もおいしくて、ドライブも快適で、かわいい子もいっぱいいて、およそ他の土地とは比べものにならないくらいの天国なので、すっかり精神が軟弱になってしまって、この程度の雨でもちょっとしんみりしてしまうんどすえ~」。内地の人はこうやって、自虐と謙遜にみせかけてマウント取り返すんですよね? ぼくネットで見ましたよ!
ブログが更新されるころにはきっと天気も良くなっており、この記事もなんだかテンションを読み違えたものに変わっているはずなのだが、できればそろそろカラッと晴れてほしい。北海道の夏はダイヤモンドの輝きである。そのカラットではない。