2020年11月10日火曜日

くものなかにいる

気づいたら10年経っていた。ツイッターをはじめたのが2010年の11月なのである。もっとも病理医ヤンデルというアカウントをはじめたのは2011年の4月。5か月間は別のアカウントで、「病理広報アカウント」を作るための情報収集をしていた。


そのアカウントは今はもうない。数年前まではあった。昔懐かしい「規制アカウント」(本来のアカウントがツイッターによってツイート規制されたときに出てくるためのアカウント)としても運用していたので、古いフォロワーはぼくの昔のアカウントを覚えているかもしれない。



気づいたら10年経っていた。今やすっかり「クラウドの中」にいる。インターネットやSNSは外付けハードディスクだよ、なんて言っていたのが懐かしい。当時はまだ、「脳が主」で、「ネットが従」だと思っていたのだ。


ネットを含めた社会が「意思の主体」であり、ぼくらは細胞にすぎないのである。それがわかるまでに10年かかってしまった。


もっとも、ぼくらは細胞だからと言って卑屈になることはない。人間は考える細胞なのである。葦よりだいぶ進化した。誇っていい。




「クラウドの中にいる」というのをどう表現しようかな、なんてのを今ちょうど考えていた。かつて、アメリカの気象台みたいなところ(正式名称忘れた)が、空を高さに応じて10段階に分類し、下から第1層、第2層、と便宜上呼ぶことにした。下から数えて9番目、すなわち成層圏のすぐ下あたりに、積乱雲が達する場所があるのだという。この、9番目の層を「クラウドナイン」と呼び、on the cloud nineと書くと「積乱雲の上」、すなわち天国を意味するのだと聞いたことがある。


ところがこのクラウドナインというフレーズ自体はコスられまくっており、今やウェブで検索すると、出るわ出るわ、美容室やらアクセサリーショップやら、名付けられまくっていて本来の意味を探すのに苦労する。世の中すぐに天にも昇るここちになりたがる。まあわかるが。



ためしに「クラウドワン」で検索すると、ウェブのクラウドサービスの会社がヒットする。


「クラウドツー」だと音楽だ。


「クラウドスリー」だと小説がでてきた。


「クラウドフォー」だとまたアプリ会社だ。


「クラウドファイブ」では本とか音楽が出てくる。


「クラウドシックス」はそこそこ人気のあるフュージョンバンドらしい。わりと新しい。


「クラウドセブン」はエステとバンド。日本になる。日本人は7が好きだ。


「クラウドエイト」がいきなりフィリピンパブだった。どういうことなんだ。


「クラウドナイン」はいっぱいある。


「クラウドテン」は楽曲のタイトル、そして、「クラウドナインよりさらに幸せなこと」を意味するのだという。


「クラウドイレブン」。絶対にそういう音楽あるだろ、と思ったらあった。


「クラウドトゥエルブ」。ロンドンにあるフィットネス系のお店だ。へえ。


「クラウドサーティーン」は急に洋服のブランド名になった。


「クラウドフォーティーン」。アメリカにある有限会社でマンガを扱っている。LGBTQ関連のものも扱うという。これって同人誌の会社なのかな?


「クラウドフィフティーン」。そういう楽曲がある。たいてい歌になるのだ。みんな考えることはいっしょだ。


「クラウドシックスティーン」。……ああっ!!






だ、だ、誰かがすでに! クラウド○○を探して記事にしてるじゃないか!!!





でもNAVERまとめはもうサービスがないので中身は見られなかった。Webarchives使ってもいいけどそこまで別に見たくはなかった。




とりあえずみんな雲の名前をタイトルにするのが大好きだ、ということがわかった。今度ぼくが何かの名前を付けるときにはCloud 42あたりにしておくか(年齢)。





と思ったら「Cloud forty-two」という名前の会社がすでにあった。ウェブ関係だそうだ。あきらめます。