充電器だけじゃなくて、そもそものスマホ本体も、バッテリーが弱るのが早い。
……ゲームボーイはこんなに早くバッテリーがへたることはなかった。
Nintendo 3DSだって、Switchだってそうだ。スマホよりずっと楽しい機械はあんなに充電できたのに。なぜスマホではそれができないのか。
いっそ、任天堂がスマホつくってくれればいいのに……。
充電がすぐなくなるようになると、ぼくたちは新しいスマホを購入したりする。「そろそろ3年か~」なんて言いながら。
ひどい話だ。たった3年で買い換えるなんて。
残価設定型ローンを使って車を買ったことがないぼくにとって、3年で何かを買い換えることには抵抗感しかない。できれば5年は使いたい。
それでも早いと思うけれど。
購入してから毎日のようにアップデート、アップデートをくり返して、それで結局本体の容量がだんだんなくなって、動作が遅くなって、充電がもたなくなって……。
こんなに早くあきらめなければいけない家電というのは本当にどうかしている。
パソコンにも言えることだが。
3年でふるびてしまう家電。冷蔵庫やエアコン、テレビや洗濯機とくらべて何が違うのか、と考えると。
「脳神経」の代替品である、ということが思い浮かぶ。
目のかわりにカメラで見て、耳の代わりにマイクで聴く。脳の代わりに記憶する。心の代わりに考える。
そこまでやってしまう機械だと、たった3年の「古さ」がストレスになるということか。
あるいは、脳神経の代わりをするような機械というものは使うエネルギーがはんぱなくて、ほかの家電に使っているようなバッテリー技術をあてはめてもすぐに劣化してしまう、ということなのだろう。
よく考えたら、スマホの充電よりもはるかに燃費の悪いマシンをぼくは持っていた。
脳である。1日に3回くらいブドウ糖を補給しないといけない。もっと言えば、1分間に20回弱、呼吸して酸素を行き渡らせないといけない。こんなに燃費の悪いコンピュータで偉そうに、スマホをバカにしている場合ではなかった。
でもなあ。脳は3年で買い換えるわけではないしなあ……。
ふと思った。実はぼくの脳も、3年経つとまるっきり入れ替わっているのかもしれない。3年前に思っていたことの寄せ集めなんて、今や、もう何の役にも立たなかったりして。