スマホがふるえたのでDMかと思ったが、最近使いはじめたGmailだった。
いちいち仕事のメールがスマホに来ては充電が夜まで持たない。だから、たいていのメールはPCにしか届かないようにしている。ただ、最近は、四六時中確認しておきたいたぐいのメールをやりとりすることが稀にある。封印していたGmailを稼働させはじめた。一部のメールを厳選して、やりとりをGmailのほうに流す。
Gmailのスマホ通知をオンにする。これでもう、LINEといっしょだ。
なるべく土日は仕事のメールは見たくないので、ゴリゴリの仕事関係のメールはGmailではやらない。
でも、遊びが半分入っていると、土日であっても、夜中であっても、見ておかないと気が済まない。もしかすると、どうやらこれは、損な性分だ。
遊びだって仕事みたいなものなのに。
メールの相手は礼儀正しい人だった。とあるイベントにぼくらが参加するにあたり、ある公式アカウントを使って発信するツイートに「指導を受ける」ことになった。
告知・展開のツイートくらい好きにすればいいじゃないか、という気もした。でも今回は、ほかの人たちと足並みを揃えたいかんじのイベントである。だから、素直にしたがう。ぼくはこう見えてけっこう、従うタイプだ。
従うってのはけっこういいことだよ。ぼくはときどき、世の一部の人に向かって、そう伝えてあげたいことがある。
案の定、従ってみたらなかなかおもしろかった。そうかそうか、商売とかイメージ戦略とかでツイッターを使っている人たちは、こういうところにも気を配るんだな。
ハッシュタグの入れ方。文面。
ちょっとぼくのこれまでの感覚とずれていて、うまいこと脳の一部に衝突して、またぼくのかたちが少し変わった。
Gmailがスマホを鳴らす。そのときどんな仕事をしていてもすかさずPCに向き直る。
ぼくが作ったツイートをこう直した方がいいんじゃないか、と教えてくれるメール。これに5分で返事をかえす。
数時間経つとまた相手からメールが入る。5分で返事をかえす。
4往復ほどして、「祭りに参加するためのツイート」が完成した。
朝からのやりとりだったが完成したのは夕方であった。
おもしろかったけど、これって電話の方が早かったんじゃないかな?
インターネット時代だからってなんでもかんでも文面でやることなかったよな……?
わかっている、もちろん、相手にも複数の仕事があって、複数のクライアントがいる。その全員と同時に電話できるわけでもないから、最終的にはこうしてメールでやりとりするしかないだろう。わかっている。わかっている。
でもぼくらは電話まででよかったんじゃないかなあ!
突然そういうことを考えた。「何に」とか「何が」とかは考えずに、雑な思考のまま放り投げておいた。
こんなにメールに生かされているぼくが、言うべき言葉ではないかもしれない。けれどもぼくは、なんとなく、「電話まで」でも十分だったんじゃないかな、という気持ちがしてならないのだ。