「周りの目」って大事だな。
「○○歳にもなって、■■してないなんて、恥ずかしい」
とか、
「そろそろ△△ができないと周りに迷惑かける」
とか。
さまざまな行動が、「周りからどう見られているか」でドライブされる。
足の速い動物が、速く走って獲物を捕らえないと生きていけないように。
社会性で生きる人間は、周りの目に一喜一憂しないと生きていけないのかもしれない。
釧路出張の夜、ホテルの部屋で、ローソンのパスタを食いながらビールを飲んでいた。デスクの横の壁には大きな鏡があって、飯を食っている自分の顔が映っている。すこし前傾姿勢の首。ストレートネックって、他人から、こうやって見えるのかあ。胸張って歩かないと貫禄的に厳しいなあ、飯食う時もあんまり前傾姿勢になるのやめとこ、小物っぽく見えちゃう……。
そこまで瞬間的に考えてから、ゆっくりと思った。
ホテルの部屋でひとりで飯食うときに、小物っぽく見えたから、どうだっていうのよ。
そういう、「だからどうだっていうのよ」みたいな話、いっぱいある。
歯を磨いているときに口元から歯磨き粉が垂れたらはずかしいと思ってふき取る。誰も見てねぇよ。
部屋着がよれよれになってきたので少しおしゃれなやつに買いなおす。誰も見てねぇよ。
誰も見ていないパンツにまでこだわることこそ、男のたしなみ? 知らねぇよ。自意識過剰かよ。
……って、思ってた世界に、SNSがいいねをつけてくる。