やれやれ、と一息ついたところで技師さんがデスクに来た。
先日、岡山出張のときに検査室に買ってきたおみやげのきびだんごを持ってやってきた。
先生も食べませんか。
あらまありがとう。
自分で買ったおみやげを自分で食べる。ふかふかしておいしかった。
食べ物とか音楽というものが自分の神経を柔らかく、ゆるやかにしてくれるということを、なるべく忘れずにやっていきたい。
本当に厳しく忙しいときには、何かそういう、人間の五感ってのはいつでも多方面でゆるもうとしているんだぞ、という事実を忘れてしまう。
目の前が真っ暗になるというのはなかなかいい表現だなあといつも思うが、どちらかというと、疲れているとき、くさくさしているとき、どうにもつらいときには、脳の中が真っ暗になる感じがある。
元気なときにはあれだけ見えていた「五感の遊び相手」が、まったく見えなくなる。
そういうときに、自分がこうして書いたブログの文章などを思い出せるかどうかが、たぶん、なんとかやり過ごしていくためのカギなのだろうな。
ぼくはときおり、そうやって、自分の目の前(と脳の中)が真っ暗になったときに備えて、あちこちに文章を備蓄している。
シマリスみたいなものだ。心の冬に備えてあちこちにドングリを植えておく。
ドングリならぬきびだんごをもうひとつ食べながら、しばらくブログ編集画面を開いたまま椅子に沈み込んでいた。
まあ、このこと、書いておくかなあ、という気になった。自分のためなので特にオチはないのだが、ひとまずタイトルだけは決まったのでそこから適当に書いてみたら、こういうものになった。大事に雪の中に埋める、そんな気持ちでキーを叩く。