お客様のアカウントは、AdSense 簡単登録の対象として認定されています
現在、数多くのブログが AdSense を利用して収益を得ています。お客様も月々最高 ¥2,820* の収益を得られる可能性がありますので、この機会にぜひご利用ください。
*収益額はお客様のブログの直近のアクセス数を基に算出した推定の金額であり、保証されるものではありません。AdSense アカウントと収益にも AdSense プログラム ポリシー と 利用規約が継続して適用されます。
そうか、これが、みんながブログで金儲けをするやり方なのか。
心の奥にあるドアがちらりと空いて、「他人のムダ毛処理を見させられているような時に放つ感情」が顔を出した。
その顔の向こうには、「不倫の言い訳をするために村上春樹のフレーズを暗唱する人を見たときに放つ感情」が心配そうにこっちを見ている。
脇には、「背が高く体の引き締まった男に自分の彼女がすっかりほれ込んでいるとき、ぼくも昔は運動していたんだよと過去をひっぱり返して自分語りをはじめる男を見たときに放つ感情」がこたつに入ってつまらなさそうにしている。
誰かが急いでドアを閉めようとした。そいつは「居酒屋で成功者のインタビュー番組を見ている中年が、なんだよセックス弱そうな顔してんなあ! とどなったときに放つ感情」であろうと思われた。
別のドアが、ガチャリと音を立てて開いた。中からいっせいに、
「安っす!」
「しょっぼ!」
「雑っ魚!」
などの罵詈雑言ミサイルが飛び出した。瞬間的に、「床屋代になるんだから贅沢言うな砲」、「こういうのをきっちり積み重ねていく人間が最終的に幸せをつかむんだ弾幕」、「何様だと思ってるんだ世の中なめんなビーム」などが地対空砲撃をする。残骸が降り注いで、地面にぶつかる音がする。好きずき、好きずきと鳴り響く。
大学1年生のときにホームページを作り始め、15年ほど続けていた。以前にもここに少しだけ載せたことがある。引っ越しを機会に、うっかり前のプロバイダのサーバ内にデータを入れたままで新しいプロバイダに切り替えてしまい、消滅したあのホームページ。
やっている間中、なんでそんなもの続けているの、と、何度かたずねられた。お金になるわけでもないのに。
「いやー、こんなのは、お金のためにやってるんじゃないんだよ」
と答えながら、心のどこかで、「まあ本気でそうやって金稼ぎのためにやってたら、それなりに稼げるだろうけどサ、俺はほら、本職で金稼ぐから、こういうのは無償でやるのがいいんだ」と、うそぶいている感情があった。
で、フォロワーも増え、発信力もついたと思った今、Googleがぼくのブログに付けた値段は、月に2800円、であった。
ドアが破壊され、壁が崩落し、中から笑い声とともに、「どの口で金稼ぎだよwwwww月に2800円で生きていくつもりかよwwwwwwwお前そうやってきれいごと言ってて実際そこまでの実力ねぇんじゃねぇかよwwwwwwwうけるwwwwwwww」と大声でゲラゲラまくしたてるガングロ女子高生みたいな感情がいっせいにあらわれた。
ぼくは頭を抱えて笑っている。「ブログはいろいろな扉を開ける」というが、ほんとうだ。