今年の札幌は秋が長かった。
いつもだと、夏が終わって秋が来たと思った途端に初雪が降り、そこからは雪崩のように冬にまみれていく。
けれど、今年は、一度だけ雪が降ったあと、しばらく暖かな日が続いている。
紅葉を落ち着いて眺めていた時間があった。
日本という国には四季があるからいいよね。
よく聞く言葉だ。しかし実際、春夏秋冬というものは、互いに等価ではない。
北国では冬が長く、春夏秋はいずれも短い。
長い冬のあとにくる短い春に喜びを感じたのは嬉野さんだ。
短い夏のあとに少しだけ長く訪れた秋にぼくは喜んだ。
四季というのはぼくらが思っているよりもずっと適当で、サイクルごとに必ずしも整ってはいないけれど、けれど、何度も何度もまわしてみると、どこかでしっくり四季が揃うタイミングがある。
ぼくは今、どうもそういう、適当な四季の中に暮らしているのだろうという実感がある。
だから時折、まれに、訪れる今のような秋に、ひどく感動してしまうのではないかと思う。
札幌にはもう冬が来ている。記事を書いてからブログに載るまでの一週間で秋は終わってしまった。