2019年7月25日木曜日

病理の話(347) 名前なんて些細な問題だと言い切れるだろうか

今日は別におもしろくもなんともない話をしますので、はなくそでもほじりながらつまんなそうに読んでください。なお、つまんなさすぎる話なので、一行書くごとに、しりとりをします




日本ではがんと診断され、アメリカではがんと診断されない病気、というのがある。 しりとり

たとえば大腸のポリープの中に、そういう病気がたまに混じっている。 りんご

日本とアメリカでは、がんの診断基準が違うから起こることだ。 ゴリラ




日本では、細胞の「異型(正常にみられる細胞からどれだけかけ離れているか)」が強ければ、その細胞が周りにしみこんでいようが、しみこんでいなかろうが、がんと診断する。 ラッパ

ところが、アメリカでは、細胞がどれだけ悪性っぽかろうとも、その細胞が実際に周りにしみこんでいなければ、「まだがんとは呼べない」という判断をする。 パンツ

これを例えていうならば、日本では拳銃を持っていれば犯罪者と認定する。ツンデレ

でも、アメリカでは、拳銃を持っただけでは逮捕されず、その拳銃を発砲してはじめて逮捕となる。レモン あっ




日本とアメリカ、どっちが正しいかな? ンジャメナ

実はこの話には、正解がない。 なめろう

これは立場の問題だからだ。 宇都宮




拳銃を持っているだけで、人を殺める能力があり、危ないやつだと認定して、早めに犯罪者扱いするのが日本。 ヤンバルクイナ

拳銃を打つまでは犯罪者ではない、と判断して、拳銃を持っている段階ではまだ犯罪者と呼ばないのがアメリカ。 夏休み

このような判断の違いがあれば、当然、対処法も変わってきそうである。 ミルク

……ところが、同じ病変をがんと呼ぶか、がんと呼ばないかの違いはあれど、実は対処法が変わらないのである。 九十九里浜

なんと日本でもアメリカでも、ある一定以上のサイズになった大腸ポリープは、原則的に大腸カメラによってぷちっととってしまおう、というのが、2019年時点でほぼほぼ認められている、共通の治療方針なのである。 町おこし

??? しおから

じゃ、なんで、名前をちゃんと統一しないの? ラグビーボール





洋の東西を問わず、病気にどのような名前を付けるかということは本質的ではない。 ルール

日本では大腸粘膜内がん、アメリカではディスプラジアと呼ばれている病変、これらは実際には同じものだと、日本人も、アメリカ人も知っているのだから、治療方針だってやっぱり同じになってくる。 またルかよ、ルーレット

だから、名前なんてぶっちゃけどうでもいいのだ。 とうきび

大事なのは、病気の本質を医者がきちんと学術的に理解していること。 美術室

そして、名前はどうあれ、対処法について、世界中の科学者たちが取り組んだ結果をもとに、きちんと信頼できる方針を定めていること。 ツンデレ あっ





はーつまんね。一人でしりとりするのつまんないよ。おまけに2回も負けちゃった。自分に。




今日のブログで大事なことは、文末の一単語ではなく、文章本体のほうだ。きちんと連ねて、丁寧に、言いたいことを書いたつもりである。たとえ話まで使って。

けれども人間ふしぎなもので、どれだけきちんとした文章を話していても、ときに、「単語のほうにばかり」気を取られてしまうものなのである。

「がん」という言葉はそれくらい力が強い。名前は本質的ではない、と書いたけれど、実際にはぼくらのほとんどが、「名前」に振り回されて毎日を過ごしているということを、ぼくら病理医は、もう少し真剣に考えた方がいいのかもしれない。