2023年8月21日月曜日

鴨ほどではないので

熟したミニトマトが雨に当たってパンパン割れていた。じっさいのところは、割れた瞬間を見ていたわけではないので、「サクゥ……」とか「ぬるっ……」と割れたのかもしれないけれど、ま、見た感じ、鋭利にパックリ割れてるので、パンパンと割れたんだろう。

翌朝雨が降るとわかっていたのだから、昨晩のうちに多少小さくても収穫しておくべきだった。しかしうっかりビール飲んで寝てしまって、朝起きたら10数個は雨にやられていた。

いかんいかん。

それでもいちどに20個くらいは収穫できるのだから今年はすごい。毎日大量の野菜を食っている。なのにこの程度の肌つや……なぜ?



今年は暑いからか、いつもよりも野菜が育ちすぎる。きゅうりはズッキーニになったし、ピーマンはサンドバッグになったし、TwitterはXになった。迷惑である。そしてぼくは何にもなっていない。去年までいろいろとなりすぎた。今年は安定している。何にもなっていない。

強いていえば書店イベントをする人になっている。



なぜ書店イベントを好んで引き受けるのか。自分が前に出ることでだれかの著作が売れるというのがとっても気持ちいいからだ。自分の本が売れてもここまでうれしくはならない。こればかりは性格としか言いようがないので「なぜですか?」と言われても答えられないし、そこを細かく言語化するつもりもあまりない。書店イベントが好きなのだ。

書店イベントや出版イベントでは、基本的にお金をいただかない。むしろ書店で本を買う分お金を払っている。交通費が自腹になることもよくある。

こういうことを言うと、「業界にとってよくないですよ! タダでイラストを描く人がひとりいると、プロのイラストレーターにもタダで描かせようっていう不届き者が出てきて迷惑って言うでしょう! それと一緒です!」みたいなことを言う人がいる。でもそこをいっしょにしてどうするのだ。「プロの書店イベント出演者」なんてこの世にはいないのだから気にしなくていいだろう。仮に作家とか芸能人が書店のイベントに呼ばれたとして「無償でお願いします」なんていう面の皮の厚い交渉をする書店や版元がいればそのときその人がキレればいいだけの話だ。ぼくは別にいい。もちろん、その書店がそもそも好きな感じかどうかにはよるけれど。


30代でこれをやっているとイキリと言われたかもしれない。しかし今は「ああ、そういうへんな人なんだね」ということで周りがほぼ納得してくれる。それに、ぼくの周りにはもっともっとへんな人が数人いるのであまり気にならない。