2017年6月27日火曜日

ちからのたてが手に入るとMP節約にめざめる

はぐれメタルを倒すと経験値が40200くらいもらえるんだけど、子供心に、たまたまかいしんのいちげきが1回出ただけで40200というのは多すぎるのではないかと思っていた。

けれどそういう話は現実世界にもいっぱいあるなあ、と思わなくもない。



たとえばはぐれメタルと戦いの最中に、いつしか好敵手としての間柄をお互いが意識しはじめ、敵味方を越えた「戦うもの同士、相通じるもの」が育まれ、必殺の一手が伯仲した瞬間に間合いをとって、お互いに

「お前、やるじゃないか」

「名前を聞いておこう」

「お前とはまた会う気がする」

「今度は俺に当てられるといいな」

「お互い様だ」

なんて会話が生まれたら、これはもう経験値としては80400くらいもらっても良いのではないか、と思うんだけど、実際には倒してないから経験値ゼロなのである。

こういう話も現実世界にいっぱいある気がする。



経験値を数値化するからいかんのか。

経験値を散文化してしまうとどうなるか。それはすなわち「おりびあののろい」に対する「あいのおもいで」である。本人たちしかわからない。先にあるのは呪いの消滅と周りのキョトンである。

やっぱりある程度の数値化は必要なのだろう。



そういえば経験値を溜めてレベルが上がっても、ぼくはそこまでうれしくなかったな。

どちらかというと、メラミを覚えたとか、ベホマラーを覚えたとか、そういう「レベルアップのついでに何か新しいまほうを覚えたとき」のほうが、はるかにうれしかった。

こういう話こそ現実世界に満ちあふれている気はする。



「ぶとうか」や「せんし」でいるよりも、「まほうつかい」や「けんじゃ」でいる方が、レベルアップに伴う快感は大きかった。

だから、一度ぶとうかとしてすばやさを上げまくったあとで転職するなら、まほうつかいがいい。

ダーマの周りにいるザコを殴るとすぐに数レベル上がる。

ギラもイオも瞬間的に覚えられる。

あれは正直、快感だった。しかし転職してから長い間、他のメンバーとのレベル差に苦しみ、敵のベギラマでひとりだけ瀕死になったりするのもセットである。

こういう話も、現実世界には多く見受けられる。




「だいじなことはみんなゲームが教えてくれた」みたいなまとめをタイトルに放つブログが嫌いなのだが、だいじなものをなんでも自分の理解が及ぶ話題にすりかえて語ってしまうやり方を、ぼく自身もよくやってしまう。

自分の言いたいことを何かに代わりにしゃべらせたり、自分の言いたいことを最初から最後まで例え話であてはめたりするとき、最初から最後まで統一した物言いができると、なんだかいい気持ちになってしまう。途中から、「それ、言いたいだけやろ」とつっこまれる。

統一した世界観の最後にオチをつけるのは難しい。

そこまでの話の流れを壊さず、かつ、長文の締めくくりにふさわしい、圧倒的な説得力のあるフレーズで、読む者にぐっと衝撃を与えなければいけないからだ。

ギガデイン? ただ攻撃力が強いだけだ。

ベホマズン? MP消費量が多すぎてどっちらけである。

「ドラクエ例え話」では何がオチになるんだろう。



パルプンテか。パルプンテなんだろうな。ああ、なんだかわかるなあ、とすごく納得したのである。どこかでおさらのわれるおとがした。