似たようなことはたまに世間でも話題になる。「鈍感力」などというのがまさにそれだろう。
では、気にしない方がいいもの、というのは具体的にはなにか。
たまに聞くのが、「それを考えても、どうにもならないもの」。
いくら考えてもどうせ対処ができないとか、考えたところでやらなければいけないことは変わらないとか。そんな話題は、考えるだけ無駄だ、ということらしい。
けれどもぼくは基本的に、「それ、何の役にたつのさ?」という話題を深めていくのが大好きな人間である。
「対処しようがない話なんて、考えるだけムダじゃん」と言われてしまうと、ぐぬぬとなる。
「考えるだけムダ」ということばの思考停止っぷりが嫌いだ。
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札幌市手稲区に、前田森林公園という場所がある。
この公園は広い。あまり行ったことはない。けれど藤棚があったり、グラウンドがあったり、原っぱがあったり、「正しい大公園」であるから、よく知っている。かの有名な大通公園がまるまるすっぽり入ってしまうくらいの横幅。とても大きな公園だ。
その前田森林公園の中に、カナルがある。カナル、すなわち運河。
運河とはおおげさだな。水路でいいじゃないか。
うん、そう言いたくなるのもわかる。そこで、Google mapの画像を添付しよう。
これは相当なサイズである。わかりにくい人は地図の中をよくみてほしい。公園内に野球場があるのがわかるだろう。この水路、野球場よりでかいのだ。やはりカナルと呼ぶのがふさわしかろう。
で、さきほど、そのカナルの清掃をするよ、というツイートが流れてきた。
( https://twitter.com/maedamaster/status/1022000602535079937 前田森林公園オフィシャルアカウントより)
このときだれかが、「カナルの水をぬいたら、カモがかわいそうでは?」という心配をしたらしい。
それに対して、前田森林公園は、
「カモたちは、例年(清掃のために)水が減ったらちゃんと非難し、水を入れ直すとまた戻ってくるから安心してね。ひっこしのようすもかわいいよ」( https://twitter.com/maedamaster/status/1022002468245463040 )
と返事をした。
いってみればこの話題は最初から最後まで、
「考えるだけムダ」な話題である。どうしようもない。関係もない。
けれどもぼくはこういうものごとを考えている時間が一番好きなのだ。
「気になることを追いかける」のも大事で、「気にしないこと」もまた大切。
それは全く同感。
ただ、「気になること」「気にしないこと」の選び方としてぼくが採用しているのは、役に立つとか立たないとか、そういう視点ではないようである。
たぶん……
うん、まあ、わかっているけれど、続きは各自に考えてもらおうと思う。考えるだけムダだといわれてしまうかもしれないが。