保温?
防御?
頭にある毛が何やら頭蓋骨を守るためなのではないか、というのはわからないでもない。
寒い地域では毛むくじゃらになって保温したのかもしれない。それはまあいい。
でも南方に生きる人はどうだ。たとえば赤道直下とか。
あんな暑い地域でチン毛生やしてる意味ってあるのか?
少なくともぼくは、意味わかんない。
大事なところに毛ってのは意味わかんない。あなたはわかるか? わかんないだろ?
大事なところだから物理防御? 毛で? 骨はやせよ。なんで毛なんだよ。
人間ってのは猿に比べると毛が少ない、すなわち、今は退化の途中だ、だからそのうち毛は全部なくなる、という仮説なら、わからないでもない……。
けどさあ、だったらさあ、なんでお腹の皮とかの毛が先に退化してるのに、ヒゲとか脇とか陰毛とかは「退化が遅い」んだよ。
なんでチン毛を最後まで残すんだよ。
……不思議だよねえ。
この不思議に、明確な「答え」はない。
ただ、ぼくは髪の毛が単なる「保温」とか「防御」の役割だけを果たしているとは思っていなくて、別にひとつ、答えを持っている。合ってるかどうかはわからない。
ググりもせず、論文も探さずに書いてしまうので、「ほんまでっか!?」くらいの気分で読んで欲しい。
今、人間に生えている毛は、防御とか保湿のため(だけ)ではなくて、「油脂を皮膚に供給するついでに生えている」んじゃないかなーと思っている。
勘違いしないで欲しいんだけど、鼻毛はきっと異物を取り除くために生えているんだろうし、髪の毛があるていど防御の役に立ってるのも間違いないとは思う。いくつかの毛にはちゃんと機能はある。
その上で。
比較的ツルツルに進化(退化?)した人類において、外表に毛が未だに生えている部分がどこかと考えていくと、なんとなくだけど、油脂分の分泌が多い場所かな、と思うのだ。
油脂分というのは、どこから分泌されるか、ご存じか?
毛穴からである。
皮膚は、毛穴以外の部分を「扁平上皮」によって覆われている。扁平上皮は、あまりに完璧な防御機構を持っているため、異物を決して体内に入れない見事なバリアの役目を果たすが、代わりに、体内から何かを外に出すこともできない。融通が利かないガンコな壁だ。
そこで、汗腺と呼ばれる穴を扁平上皮のスキマに開ける。これにより、体内から外に水分を出すルートを作る。ここから油脂分も分泌されている。
で、だ。
油脂というのは、べたべただ。
パイプにべたべたなものを流していると、詰まる。詰まると困る。
だからパイプの中に、「常に外側に向かってゆっくり移動しているベルトコンベア」を配置する。
そうすると、べたついた油脂分が、ベルトコンベアにのって体外に押し出されていく。
おわかりかと思うが、毛髪というのはこのベルトコンベアの役割を、(知らず知らずのうちに)果たしているのではないか、と推測している。
そこで考えるのは脇の下とか陰部だ。
ここでは、油脂分をいっぱい出す必要があるんだろう。
だからベルトコンベアが産毛じゃ足りなくて、けっこうしっかりした毛にしてあるんじゃないか。
となると今度は、「なぜ油脂分をいっぱい出す必要があるのか」を考えなければいけない。
陰部は、なんとなくわかる。排泄や生殖を司る場所だ、常在菌の態度が変わったりするんだろう。だから皮膚の環境を保つためには油脂分を含めた複雑な分泌が必要なんじゃないかなあ。
でも、脇の下はどうだ?
ぼくは脇の下がなぜ特別扱いされているのか、ほんとうに、よくわからなかった。
しょうがないのでちょろっとググる。
「脇の下からはフェロモンが出る」。
ゲェーッ
ほんとかよ!
フェロモン! ここにきてフェロモン!
ヒト医学にはフェロモンという言葉はあまり出てこない(出てくるのかもしれないがぼくは知らない)。
フェロモンは油脂分なのだろうか。それすら知らない。
人は脇の下から発散されるフェロモンで求愛されている、というのか。
うっそだあ。
そんなことないと思うけどなあ……。
まあ知らんけど、ほんまでっか!? くらいの気分で読んで欲しい。
サイエンスだってたまには雑に語っていいと思うので。だって毛だぜ。
※でも今日の話、めっちゃ書くのに時間かかった。雑に語ったとか言っといてこれである。ツンデレかよ