夏前に弟からもらった一升瓶をようやく昨日あけた。
本当はもう少し早く飲みたかったのだが、一升瓶は大きくて(四号瓶ではないので)冷蔵庫にうまく入らず、野菜室に入れると家族の邪魔だし、クローゼットにしまっておくにしてもいったんキャップを開けると夏はなんだか酒が悪くなりそうで、とりあえず涼しくなるまで待っていた。
札幌は今、朝方は4度くらいまで気温が下がっている。4度というと冷蔵庫だ。自然に冷蔵庫の機能が備わるまで待ったのだ。
もらった日本酒はかつてマスコミなどが取り上げて一時的にすごく手に入りづらくなった有名な酒である。最近はブームが落ち着いてわりと買いやすくなったけれど、それでもまだ、買うには多少の気合いが要る。自分では買わない。だからもらってよかったなと思う。飲んでみるとアルコールの臭さがなくて米の香りがきちんとする。妻は米の香りが強いタイプの日本酒が得意ではないので、これはぼくがひたすら飲むことになる。うまい酒だ。ポテチとは合わない。サッポロポテトなら合うかもしれない。
うまい酒を飲む機会などなくなってしまった。飲み会がないことは快適でしかないが、ひとりで外で飲む機会が減ったことは少し悲しい。こうして身の丈に合わない一升瓶を大事にちびちびと減らすことにハレを感じる。
先日、「しゃべくり007」を見ていたら、三代目J soul brothers(ひどい名前だ)のめんめんが、「最近はぜんぜん酒を飲まない」と口々に言うので、ヤンキーのカリスマとして受け入れられている人たちがテレビでこのようなイメージ戦略をとるのかと思ってびっくりしてしまった。月の服代が1000万円以上、毎晩クラブでオールのイメージではもはやTikTok文化で生き残れないということなのかもしれない。ザブザブ酒を飲むのがかっこいい風潮が、こうして廃れることになんの哀愁もわかないけれど、ではかつてそこにあこがれてやっていた人たちは今の三代目を見てどういう気持ちになるのだろうと、他人事でしかない興味を一瞬だけかきたてられた。三代目の中でたまに「体育会TV」で野球をやっている一人は朝起きると白湯を飲んで散歩をすると言ってスタジオの笑いをとっていた。本人も笑っていた。その笑いが全く引きつっていないのでとても感心した。人間、ここまで笑う技術を極められるものなのか。