夏休みの話。長く寝続けていると体力を奪われる。枕と首とがきちんと合ってなくて、背中がこって疲労するとか、寝返りも忘れて寝ていたために腕がしびれているとかだ。寝続けるにも体力が必要。8時間以上の睡眠を取るには訓練が要る。
職場でしか受信・送信できないタイプのメールアドレスを普段使っている。だから休みに入ると、どんなに急ぎの連絡でも一切確認できない。ぞくっとする。休みの前に各位に連絡をしておけばよいのだが、無数の連絡先すべてに告知する手段がない。ツイッターで休みますとつぶやくくらいだ。Gmailなどを使えばよい? いや、もう少し世間と隔絶されていたい。いつでも何度でも連絡がとれる人間だと思われたくない。たぶんこの「みんなから連絡がとれない状態になっている」というのが、ぼくの本質的な休暇スタイルなのだろう。
ほか、体力を失ったぼくの休暇スタイルとは。
・早い時間にビールが飲める
うん、前はこれがでかいと思っていた。しかし近頃は、ビールを飲み始めると1時間くらいで眠くなってしまう。せっかくの休日なのに早い時間から寝てしまうのはもったいない。
・日頃見られない映画やYouTubeを見る
これがあるかな。でも溜まりすぎている作品たちのどれから見ればいいのかよくわからない。あれは見られたけれどこれは見られなかった、というのがストレスになる気がする。
・温かいコーヒーやお茶を飲む
これかもしれない。普段あまり選ばない過ごし方。温かいものを準備する時間、それを前にただ飲むだけの自分でいる時間がふだんは取れない。SF協会会長で声優の池澤春菜さんや、『累』でおなじみの松浦だるまさんがお茶フリークであるというのをどこかで読んだとき、ああ、それはいいなあ、と、ぼくの中にあるもっとも打算のない部分がぼそっとつぶやいた。資格をとるまではいかないだろうけれど、ぼくは今後、温かいものを飲めたら「休みだなあ」という気持ちになるのではないかと思う。