2016年12月26日月曜日

北から目線アドバンスト

雪かきにはコツがある。

一度にいっぱいやろうとしないことと、腕でなんとかしようとしないこと、ふわふわの雪を固めて足場にした方がいい場所を最初に見極めておくこと、などだ。




北の人が、問われてもいないのに、雪かきのコツをあちこちに書くのはなぜか。

雪かきほど、甲斐のない仕事もないからだ。ここの雪をそこに運ぶだけのことに、ものすごい労力を割いて、やらなきゃ生活できないし、やっても誰もほめてくれない。なんとかラクをできないかと考えるんだけど、ガソリン製の雪かき機は高いしすぐ壊れるし、夏の間置き場所に困るし、燃費はかかるし、融雪槽だって近所の子供が落ちたらいやだなと思うし、ロードヒーティングこそ金がかかってしょうがないし、だいたいああいいうのは「今日は降らないだろう」と電源を落としているときに限って豪雪になる。結局、ぶつくさ言いながらも自分の体でなんとかするしかない。何がママさんダンプだ。手も足も顔も霜焼けになる。コシとか肩とかすぐ傷めてしまう。おまけに、雪かきは、たいしてカロリーを消費しないように思う。別に医学的根拠はないが、もう、そう信じている。雪かきで痩せた人なんて聞いたことがない。ただ疲れるだけで皮下脂肪は減らない、そんな「無駄な運動」がこの世の中に存在するなんて! 汗をかくほど暑くなるけど、ビールがうまくなるわけでもない。思い出した、市町村などが委託受注している除雪のタイミングも腹が立つ。いや、大変なのはわかる、全住民の希望に添えるわけなんてない、ほんと除雪業者がいなかったらと思うとぞっとする、いつも本当にありがとうございます、けど、ま、来て欲しいときに限って除雪は入らず、道は狭いし軽自動車はスタックしまくるし、来たら来たで圧雪アイスバーンが牙を剥くし、道の両脇には人力ではどかせないような強烈に硬い雪山ができあがったりする。極めつけは、「春になったら雪は解けてしまう」ということだ! 信じられない。最初から雨で降れ! 


以上を。

全員だ。全・雪害地域民が、思っている。何も得るものが無い。ただ疲れていくだけだ。

雪かきにはカタルシスがない。

せめて。せめてコツくらいは。ドヤらせてくれい。ついでに肩もんでくれい。




「雪かきにはコツがある。

一度にいっぱいやろうとしないことと、腕でなんとかしようとしないこと、ふわふわの雪を固めて足場にした方がいい場所を最初に見極めておくこと、などだ」

こういう文章をみたときには、全身全霊でほめちぎってくれないと困る。

いいね! だって15万くらいついていいと思う。

毛ガニくらい送られてきていいはずだ。

毎週抽選でハワイ旅行と金銀パールが当たってもおかしくない。

なのに、なんだこの! なんなんだこの!




冬ははじまったばかりです。