2018年6月4日月曜日

エターナルフォースブリザードはちょっと薄い

「ジャンガリアンハムスター」って名前を最初につけた人、あるいは最初にカタカナで書いた人、きっと快感だったと思うんだよな。

なにこのリズム、うける、みたいな。カタカナが飛び跳ねまくっててかわいい、みたいな。ハムスターなのに序盤ちょっと強そうなのがいい、みたいな。

最近なんか「名前」の話ばかり考えているなあ。ブログのログを辿ってみたら何度も何度も名前のことを書いている。

なんか目線がそういうモードなんだ。





「目線のモード」は、無意識に調整されている。

医療の例えで恐縮だけれども、たとえばオリンパス製の胃カメラには画像強調モードというのがついていて、

A1~A8
B1~B8

の合計16段階の切り替えができる。

これを切り替えると、同じ胃カメラで見た胃の中身であっても、微妙に色調とか強調具合がかわってくるのだ。

血管がより見やすくなるとか。

色調が繊細に見分けられやすくなるとか。



強調モードは、基本的には内視鏡医の好みで選ぶものなんだけれど。

あるひとりの「達人」が、たとえばA8モードを使っていたとすると、その弟子達もみんなA8モードで胃カメラを使うようになる。

だって胃カメラがうまい人と同じ目線で勉強したいもんね。

すごい人がみた目線と同じ位置に立って、同じモノがみえるかどうかを見てみたいもんね。



で、ある日、みんなで胃カメラの画像をみてああでもないこうでもないと議論をする研究会に出ていた。

あるとき、ひとりのドクターが、自分はB8モード(実際にB8だったかどうかは忘れたんですが、便宜上そういうことにしておきます)使ってるんですけれどね、と言って、誰も気づかなかった所見を指摘した。

会場はざわついた。ひとりのベテランが、「考えてもいませんでした。先生は普段からB8で見てるとこういう所見はよくみえますか?」と尋ねた。

発言者はむしろ驚いて、「えっ、みんな見えてるものだと思ってました」と結んだ。




強調モードっていったん設定すると、きっかけが無い限りずっと動かさないんだ。

そのほうが、一個人としてぶれのない仕事ができるからね。

で、強調モードが違う人同士が集まると、おもしろい発見が生まれたりもする。




自分の強調モードを意識して切り替えるというのは「ぶれ」につながるんだけど、ぼくは別に、毎日ジャンガリアンハムスターとかスリジャヤワルダナプラコッテとかトロンボポイエチンとかサブカルクソ野郎みたいな名前の話ばかりぶれずに考えていたいとはみじんも思っていないので、ときおり、意識してモードを切り替えようかな、なんて思い始めている。