2018年10月24日水曜日

サンダルには足つぼマッサージ用の突起がついている

クラシックの声楽がテレビで流れていた日に、タイムラインで複数の人間たち(推測)が、

「歌詞をタブレットで見てる」

「すごい、タブレットだ」

と指摘していた。そうかあそういうことなのかあ。まあそうだろうなあ。

ピアニストだって今や紙の譜面を使わなくてもいいわけだ。

そのうちウェアラブルデバイス……Googleメガネ的なアレにも歌詞が浮かぶようになるだろう。

拡張現実内に歌詞が浮かんだら、ださいときのミスチルのPVみたいな風景がみられて楽しいかもしれない。

技術革新が進むとサイバーパンクな叙情がそこかしこに顔を出す。




「パソロジスト・コックピット」ということばをはじめて聞いたときには小躍りしたものだ。まるでガンダムの操縦席みたいに、デスクの前、左右に複数のモニタを配置して、それぞれをタッチパネルで直接操作しながら、顕微鏡画像を拡大縮小したり、別のモニタに内視鏡画像を投影したり、マッピングを画面上で行ったりできるのが未来の病理医(パソロジスト)のやりかたなのだそうだ。カナダのように遠隔病理診断が進んでいる国では、すでにこのコックピット形式が導入されているという。いいなあ、やってみたいなあ。

……でも、よく考えたら、ぼくもすでにパソコンは2台使っているし、キーボードは3つある(遠隔キーボードにすることで首を保護している)。見ようによってはコックピットである。ガンダムほどではない。ジムくらいだ。




昔の忍者は、麻のタネを庭にまいて、芽が出たら毎日それをジャンプで飛び越えて、ぐんぐん大きくなる麻を必死で飛び越えているうちに人ん家の壁が飛び越えられるようになったそうだ。ぼくは、じわじわとサイバーな世界になれていくうちに、自分がすでに昭和の自分からみたら驚くほど未来に生きているのだということに気づかないでいた。



でもいまだにボールペンを胸に挿している。そういうものなのか。そういうものなのだろう。