2019年11月12日火曜日

病理の話(383) 交通量を考える

高速道路のサービスエリアに、フードコートを出店することを考える。

一日に来店する人の数に応じて、レジのバイト人数を決めなければいけない。

その際に参考にするべきはまず、高速道路の通行量だろう。

車に何人くらい人が乗っているか。男女の比率。子どもや老人の数。

こういったものも、細かいメニューを考える上では参考になるだろう。またトイレの数を決める上でも避けては通れない。

そう、トイレ! トイレは重要だ。

トイレが汚いサービスエリアには誰も止まらない。

女性トイレが混雑するサービスエリアは、男性エリアを一時的に縮小して、個室を一部女性エリアに変更するような特殊な仕切りがあると聞く。いろいろやってるなあ。

いずれにせよ、サービスエリアというところは、いくら素晴らしい商品を揃えていても、いくらトイレをきれいにしていても、高速道路が過疎ってては売上げがあがらない。

高速道路あってのサービスエリアだ。まあそりゃそうだよね。






さて、今日は「病理の話」なので、人体の話をこれからする。

人体には血管が張り巡らされていて、中には血球やらコレステロール製品やら栄養やらが入り交じった血液がギュンギュン流れている。もちろん酸素も流れている。

酸素を体中に行き渡らせることですべての臓器は生き延びるのだが、このとき、酸素だけではなくて、栄養とか老廃物も一緒に輸送している。まーうまくできているわけだ。

そして、たとえば、腎臓というフィルターは、血液の中に含まれる老廃物を体外に除去する役割を担っているのだが……この腎臓のはたらきっぷりを考えるときに、腎臓だけに目を向けていてはいけない。

腎臓を通過する血液の量がとても大事なのだ。サービスエリアがいくらすばらしいメニューを取りそろえていても、客が来なければ意味がないだろう?

というわけで全身の血流量が腎臓の機能を考える上では大事になってくる。

なんらかの理由で血が足りなくなると、腎臓の機能もがくんと下がる。高速道路が通行止めになればサービスエリアは閑古鳥だ。

そして、ここがなかなかよくできてるなあと思うのだが、腎臓は座して待つだけのサービスエリアではなく、「血圧を調整する機能」を持っている。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系というメカニズムが腎臓にあって、血圧を保つ役割を果たす。サービスエリアが人気になることで高速道路自体が活性化されるかんじかなあ。

今は血流と腎臓の話だけをしたけれども、ほかにも、食物が流れることと消化管との間にある蜜月関係とか、けっこう「流れるものと留まるもののやりとり」が体の中には多い。人体は街に似ているなあ。