2020年9月28日月曜日

脳だけが旅をする

 自分の稼働キャパを越えたときにツイートをする。ぼくはこれはよくやる。「やべええ」とか「忙しいいい」などとつぶやくやつだ。


しかし実際、自分の稼働キャパを下回っているときのツイートのほうが、問題なのかもしれない。


「まだやりたい、まだやれる」ってやつ。「時間を持て余している」。「ひまをひまとして享受できない」。



もっとのんびりしたらいい。やることがないならツイートなんかしないで「なにもしないことをする」をやったほうがいいのだ。なのに、つい、城の石垣を作る際に大きい石を積み終わってからスキマに小さい石をはめ込んでいくように、空いた部分、空いた部分、すべてに石を積めようとする。




水曜どうでしょうのディレクターの嬉野雅道さんが昔書いていた、とぼくも何度か書いた話題。


彼の奥さんはとにかく何かをしていないと落ち着かないタイプだそうだ。しかし、バイクを駆って旅をしているときは、旅先の宿でも落ち着いている。「のんびり」している。嬉野さんはそれに気づいて尋ねてみた。


「旅先だとのんびりできているみたいだけど、どうして?」


すると奥さんはこう答えたそうだ。


「そういえばそうだね。たぶん、『旅をしている』からかなあ。旅先ではのんびりしていても、決して何もしていないわけじゃない。そのときは『旅をしている』ということで、納得できている」




ぼくは最近よく、嬉野さんの奥さんの境地がいいなと思う。もはや自分の「何かをしていないと落ち着かない」という気性は治らないし治すものでもない。というかそれは異常ですらないのだ、おそらく。


だとしたら、ぼくが根本的に「ゆっくり、何もしない」ためには、バックグラウンドに何か、旅のようなものを配置しておけばよいのだろう。そうすれば、「今のぼくは旅をしているから、他に何もしなくていいだろう」という考えにたどり着ける。そして休める。




……なんてことを何度か書いているこのブログの名前。

たぶん由来の一部はそのへんにある。