2020年11月16日月曜日

つまらない他人のつまらない夢の話

起きてからもしばらく覚えているタイプの夢は、いずれ何かの役に立つから覚えておいたほうがいいよと脳に語りかけられているのではないかと思うのだ。だからなるべく覚えておくようにしている。


たとえば先日、起きる直前に見ていた夢は6本くらいあって、このうち1本目と6本目がつながっていた。2~4は忘れた。ぼくの脳は2~4番目の夢は事務的に見せていたのだが、1と6はぼくに覚えておいてほしかったんだと思う。


1本目にまず、ぼくは20年前の剣道部の後輩といっしょに大荷物をかついでレンタカーを借りた。そこに荷物を積み込む。レンタカー屋を発信する。そして札幌駅の北口風のたたずまいをした、東京西部のある駅(だとぼくは認識している)のロータリーに、エンジンキーをつけたままで車を留め、なぜか駅の構内に入っていくのだ。


そこにはセントレア駅のミュースカイ乗り場のように、改札の向こうの1階部分に複数の電車が停まるような構造をしていて、ぼくは電車を迷う。どれかに乗り込む。複雑な乗り継ぎをなんとかしないとと思って頭がいっぱいになる。もう後輩はいなくなっている。


そこから4つくらいのエピソードを立て続けに見るのだがここはどうしても思い出せない。


そして、夢としては珍しいことに、ぼくはいろいろな夢に翻弄された後で急に思うのだ。


「あっ、あの車、どうした?」と。




そして駅前に戻ると恐れていたとおり車はないのだ。いつの間にか戻ってきた後輩とともに嫌な汗をかく。レンタカー屋に行く。するとカウンターの向こうにはゴトウマサフミさんの自画像のような、長崎県のかたちをした複雑な髪型の男がふんぞりかえり、「困るんですよねー、そもそもあなた、○○保証入っていないでしょう」と言う。


ああそうか、ぼくは、車だけではなく、後輩の荷物の分までお金を払わなければいけないのか、それは困ったなあ、というところで目が覚める。外はひどい天気で、ときおりあられが窓を叩く音が聞こえてきて、ぼくはお手洗いに行き、トイレの窓から遠雷が光るのを見て秒数を数えた。


いつまでも音は聞こえてこなくて、次に目覚めたとき、ぼくはなぜか車の鍵を握りしめて布団の中にいた。





車を離れるときにはちゃんと鍵をかけよう。