2019年10月18日金曜日

頭を空っぽにするためには整理整頓が要る

テレビをつけたらサッカーワールドカップ予選をやっている。

おお、今度はサッカーか、てなもんだ。

ラグビーを何試合か見て以来、なぜかわからないけれど、「ワールドカップ」とか「世界大会」と名の付くものすべてがいとおしくなった。

今までもずっと、バレーボールも、陸上も、柔道も、水泳もやっていたのにな。

ラグビーの楽しさに触れたら、ほかのスポーツまであらためて楽しくなってきた。昔のわくわくを取り戻したかんじ。




いつからか、あらゆる競技の世界選手権が「世界〇〇」とか「絶対に負けられない」とか余計なコピーで彩られるようになって、ぼくは少しうんざりしていたのかもしれない。

普段やってないスポーツの選手に共感することはそんなに難しくない。けれど、「ほら! 今日はこのチャンネルで盛り上がってくれよ!」みたいなおぜん立てが当たり前になりすぎて、今やどんな競技をやっていようとも、その競技の独自性とかおもしろさがあまりわからなくなって、結局のところ、フジテレビ型の演出か、TBS型の盛り上げ方か、テレビ朝日型の絶叫か、くらいしか目に入らなくなっていたのだ。つまりはスポーツの種類なんてほんとにどうでもよくなってしまっていた。

もともと乱雑な心の中の、スポーツに関係する領域は、青春時代あたりでぐぐっとエントロピーが低下して、整然となって、集中して興奮できるようになっていたのに、その後なんだか過剰な演出や当事者感の足りない打算的盛り上げ方ばかりを見ているうちに、だんだんエントロピーが上昇してきたのだ。乱雑な感情を抑えられなくなって、あらゆるスポーツを楽しめなくなる一歩手前まで来ていた。

でもそれがラグビーひとつでまた凪いだ。視界がよくなって、競技性とか運命のいたずらとか、努力が才能を凌駕する一瞬の輝きみたいなものに、また目がとまるようになった。



ラグビーありがとな。きみのおかげでぼくは今日、楽しくサッカーをみられそうだ。

こんなこともあるんだなあってかんじだ。