雪かきの話をこのブログでも何度か書いたかもしれない。
でもまた書く。冬だから。
積雪地帯での雪かきを一度体験してみるといいと思う。
ボランティアとかあるだろう。
首都圏の大学生などにはおすすめだ。
非常に汗をかく。
腕や腰がパンパンになる。足はそうでもない。しかし靴を間違うと足の指が凍傷になるので気を付けて欲しい。
暖かい格好をしていると20分を過ぎたくらいでほかほかになる。スキーウェアみたいな重装備で雪かきをしているとジャケットは脱ぐことになるだろう。サッカーのベンチコートみたいなものをはおっている場合はチャックを全快にすることになる。
コートの下をなるべく軽装にするのがコツだ。Tシャツ一枚でもいいくらいである。なあにすぐに温かくなる。
手袋はスキー用でないと無理だろう。特に、毛糸の手袋では30分で指が凍る。
いろいろな日に雪かきをしてみてほしい。
ふわっふわの、北国特有のパウダースノーは、ボリュームのわりに軽い。スノーダンプ(かつてママさんダンプと呼ばれていた)で運ぶと、軽くて、しかしふわふわとめんどうだ。雪深いところを長靴で踏みしめて歩くのは思ったよりも足腰に負担がかかる。
ちょっと気温が上がったあとに硬くなった雪。これは本当に最悪である。金属製のスコップがないとうまくくずせないし、金属製のスコップでは家のまわりの膨大な雪をどこにも運べない。
結局、スノーダンプの上にスコップで雪を落としてかためて、それをどこかに捨てに行くという賽の河原の石積みみたいな作業を繰り返すしかなくなる。
「雪を捨てる場所がない」というのは北国の痛切な悩みだ。
小学生の通学路では道の両脇にあまり高い山を作ってはいけない。
視界が悪くなり、事故も増える。
雪捨て場についてはマナーとモラル以前に「北国のプライド」が問われる。
捨ててもいい場所をきちんと把握しよう。
北国の一軒家では庭は雪捨てのためにある。
雪が降るのは昼夜を問わない。
出勤前に雪かきをしなければいけなくなると地獄だ。遅刻は確定。しかし放っておくと帰宅時に家に入れなくなるかもしれない。そもそも雪かきをしないと車が出せない場合もある。
天気がいいときに雪かきを終わらせておかないと、吹雪の中、あとからあとから降り積もる雪に視界も心も阻まれながら雪かきをするのもきついものがある。
何がつらいって、雪かきという行為は「春がくればすべて解けて無駄になるとわかっている」こと。しかし、「いずれ解けるからといって、解けるまで待っていると家から出られなくなるから、餓死 or 雪かき」であるということ。
これほど生産性のない労働をぼくはほかに知らない。
あと、ここはとても大事なポイントなので気を付けて読んで欲しいのだが、
「雪かきはとても重労働なのだけれど、なぜかは全くわからないが、お正月太りを雪かきだけで元に戻せることはない」
という世界の神秘がある。世の中には科学で解明できない謎がまだまだ残されているのだなあ、と感じる瞬間である。