2019年1月18日金曜日

魏の初代皇帝の父親が持つ力のことをなんというか

例え話だが、

「忙しくて髪を切りに行く時間がない」

という言葉をみると、つい、

「ほんの1時間くらいならどうにでもなるでしょう」

という反論をしたくなることがある。



けれども自分が実際に髪を切ろうと思うと、まず美容室を予約しなければならない。

そして美容室は自分の都合のいい日時に限って予約がとれないものだ。



すなわち、「髪を切りに行く」というのは、

1.土日の午前と日曜日の午後および夕方、さらに水曜日と金曜日の夕方くらいが空いている状態

で、

2.美容室がこれらのどれかであれば予約を受けてくれる状態

で、さらに、

3.以上を確定するために、日中に美容室に電話をかけられる状態

であって、はじめて生まれてくる。




ということはつまり、「髪を切りに行く時間」は1時間ではないのだ。

1時間だけ空き時間を作ることができても、美容室には行けないのである。

いや、まあ、ある一定の確率で、たまたまポンとその1時間が空いているかもしれないけれども、これはもう「運」とか「パーセント」の話になる。




髪を切りたいタイミングというのは自分で適当に決められるわけではない。

ぼくのような短髪の人間は、「そろそろ髪を切らなければまずいタイミング」というのが受動的にやってくる。

のびすぎるとむさくるしいからだ。

つまり髪を切りに行くという行為には「リミット」がある。

「向こう半年間のどこかで切ればいい」という類いの話ではない。

「今から2週間のどこかで、髪を切らなければいけない」という強迫観念と共に、この時間の捻出作業がやってくるのである。




以上を踏まえていれば、

「忙しくて髪を切りに行く時間がない」

というセリフに対し、

「いやあ、1時間くらいじゃないですか。ひねり出せばなんとかなるでしょう」

みたいなツッコミを入れるのはとてもヤボだということがじわじわとわかる。




何に付けても言えることだと思う。想像力なくツッコミを入れてはいけないのだ。

だからといって毎日想像ばかりしているわけにもいかない。なぜかというと、ぼくらはたいてい、忙しくて想像をする時間がないからだ。