2019年1月9日水曜日

ダイエットするには太っていなければならない

ソニーのα6000というカメラを持っているのだが、はじめて買ったレンズではいまいちスマホとどう違うのかわからなかったのだけれども、いろいろと調べて、1年ほど使って、こないだ買い足した新しいレンズ(35 mm, F1.8)を装着して、家族の写真をとってみたらすごくいい色味で、とてもうれしかった。

「カメラは楽しい」「カメラは奥深い」というが、実際には、カメラとレンズと撮るシチュエーションと撮りたい画角などの組み合わせが楽しいのだな。

”組み合わせが楽しい”、というのは何にでも言えるように思う。

ファミコンが楽しいのではなくて、晩ご飯までの1時間10分の間にスーパーマリオをワープ込みでプレイすると、ほどよく8-1~8-2くらいで苦戦しつつ8-4まで行けたり行けなかったりして弟と四苦八苦する時間が楽しかったのだ。

剣道が楽しいのではなくて、国家試験までの5年半の間に先輩や後輩たちと切磋琢磨しながら団体戦で勝ち負けして東日本の大会を駆け上っていった日々が楽しかったのだ。

たぶん仕事とかもきっと、「単一の〇〇が楽しいのではなく、さまざまな組み合わせが楽しい」のだと思う。




”組み合わせが楽しい”については、「楽しい」の部分を入れ替えてもさまざまに応用が利く。

つらい、くるしい、もじもじする、どきどきする、はらがたつ、せつなくなるなど。




140文字制限のツイッターをやっていてときどき「あっ、違うな」と思うのは、少ない文字数に言いたいことをなんとか押し込めようとするあまりに、「組み合わせを構成している部品を一部省略してしゃべっている」ときだ。

組み合わせの中に喜怒哀楽を見出しているぼくらは、そう簡単にものごとを単純化できないようになっている。

「複雑系の中に暮らして何かを入力」した結果、「出力を単純に済ませる」というのはきわめて難しい。

しかしおもしろいことに、ぼくが何かに感動するときはたいてい、「短いワンフレーズ」なのだ。

組み合わせの妙というのは必ずしも「部品がいっぱいあるところ」からばかり生まれてくるわけではない。

わびさびとはそういうことなのだろう。

そぎ落としの妙とはそういうことに違いない。




そぎ落とすためには、いっぱい持っていないと、やせほそってしまうのだが……。