2021年2月22日月曜日

病理の話(507) くり返し積み重ね

できた。教科書ができた。第3校を戻し終わって、あとは編集部で整えてもらえば完成である。


ほんとうに細かくお手入れしてもらった。多数の校閲、校正をお願いした。よかったよかった。これは自信作である。そのうち金芳堂から出ます。





さっきまでその教科書の「索引項目拾い」をやっていた。今回の教科書は通読できるタイプの本なのだけれど、担当編集の方が


「この本には索引が似合うと思います。」


と言い、ぼくも全くその通りだと思った。だからがんばって項目を拾った。


複数のページで言及した言葉はいやでも目に入る。


「病理」(※病理の教科書なのだからあたりまえである)、


「言語化」(※これが本書のキモだ。索引には抽出しなかった)、


そして「くり返し」と「積み重ね」である。




「くり返し」と「積み重ね」が、くり返し出てくるような本を書きたかった。なぜならば、診断とはまさにくり返しだからである。


たった一度の検査でシロだクロだと言わない。


黙って座ればぴたりと当たる、みたいな診断はしない。


そこにがん細胞が見えたからがんです、だけで診断という行為は終わらない。


病理医は臨床医とバトンを互いに受け渡ししながら、診断という行為を何度も何度もくり返す。一人の患者に対して、あるいは、複数の患者に対して、同じ事を、あるいは違うことを、くり返し、積み重ねていく。


そうやって確度を高めていくのだ、ということを一冊使って書きたかった。





今回の本は完全に医学生向けであり、いちおう初期研修医は読めるし、後期研修医もまあまあ読める。指導医クラスになるとちょっとつらいかもしれない。病理医は全員読めるだろう。読もうと思うかどうかはともかくとして。


なぜこの順番なのかは「序章」に記しておいた。端的に言うと、この中では医学生が一番頭がいいからだ。いや、別にこれは、煽りとかおべっかなどではなくて、ぼくの意図の範囲においては、事実である。そのあたりは今日は書かないことにする。





思えばこのブログでも同じ事を何度も何度もくり返し記載して、積み重ねばかりしている。


そういうことなんだよな、と思う。