2020年1月17日金曜日

鑑別診断

クイズ番組をみていて、南米の国の関係がいまいちよくわからないなーと思った。Google mapであれこれ調べ、アルゼンチンってブラジルと接してないんだなとか、ベネズエラとコロンビアの位置を鳥取と島根の関係に例える人はいるんだろうかとか、そういうことをつらつら考えていた。そしてパラグアイのことを考えていたらおなかがぐるると鳴ったので「これは腹具合だな」と思った。そのままパラグアイを拡大していくことにした。首都はアスンシオンだろうか? そこだけ太字になっているから、そう思った。わざわざググって確認するほど興味はなかった。周りに目をやると、国の真ん中当たりに、コンセプシオンという地名をみつけた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%97%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%B3_(%E3%83%91%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%82%A4)

Concepciónというスペル。いかにも英語のconceptionと似ている。

英語のconceptionはコンセプトでおなじみ、つまりは思念とか概念みたいな意味をもつが、実は医学用語としてほかにも意味があることは、あまり知られていないかもしれない。"Products of conception" と書くと、直訳すれば概念の産物となるはずが、これを医療の世界では受胎産物と訳すのである。つまりconceptionは精子と卵子がであって受精卵になった証拠、という意味。思念と受胎とを同じ単語であらわしているのがかねがね不思議だった。

https://gogen-ejd.info/conception/

これによると、ラテン語のconceptioということばが、「とりこむ」とか「内側に存在させる」的な意味をもつようだ。

なるほど、そうかんがえてみれば、受胎も思考も内側にぽんと灯りが生じるような、ほとんど同じような意味にみえてくる。おもしろいな。






パラグアイのコンセプシオンという町あるいは県が、語源に受胎であるとか思考といった意味を持っているのかどうかは全くわからない。ちょっと日本語でググったくらいでは、町の名前がついた理由まではたどり着けない。スペイン語の知識があればもうすこし粘れたかもしれない。

Google mapでコンセプシオンをクリックしてみると町の観光名所になっていそうな写真がズドンと出てきて圧倒される。



これを見ているとどうもキリスト教系の処女懐妊とかに町の由来があるのかもなあと想像するのだけれど、確かめる術はないし、この疑問はいずれぼくが南米を旅行するときまで取っておいてもいい類いのものだろう。まあ、ぼくがこの先南米を訪れて、パラグアイに立ち寄って、首都ならぬコンセプシオンまでのバスに載ってこの風景を目にする確率は1%未満ではないかと思うが、ゼロと1%未満とでは大いに意味が異なる。こういうときに医療の世界では「可能性を否定できない」という便利なフレーズを用いる。