2021年1月8日金曜日

読後雑感

正月休みはほぼ暦通りだった。初詣も外食ももちろんできなかったので、よく本を読んだ。


これじゃあいつもと変わり映えがしなさすぎてちょっとなーと思い、「はじめて買うマンガ」を2冊ほど入れてみた。SPY×FAMILYと怪獣8号である。おもしろかった。


あとジャイキリの57巻を読んだ。安定。いつ終わるんだこの漫画。まあいいが。


ワンピースは2か月くらいかけて71巻までたどり着いた。ワンピースは1年に1度くらい、1巻から通読するようにしているのだが、読み通すのに数か月かかってしまう。寝る前に2巻ずつ読んだとしても50日弱かかってしまうのだからしょうがない。


医学書で積み本になっていたものをあらかた読み終えた。雑誌系を4つ、成書を3冊。グリコカリックスの本は内容がおもしろかったが文章はとてもへただなと思った。へたというか、これはむしろ、「一般向けではない(研究者向けである)」ということなのだろう。「文章がへたなのに内容がおもしろい」、これ以上に何を求めろというのか?


数年来ぼくをブロックしてことあるごとに罵詈雑言をつぶやいている某氏の出した本も読んだ。内容はよかった。一度はTwitterで「この本はいいですよ」とツイートもした。しかし、ちょっと思うところあって再読し、「言葉の端々に違和がある」ことが気になった。これもある意味、「言葉がへただが内容はおもしろい」という本なのである。


哲学、宗教と科学の本を6冊。うち4冊は再読である。新しく読んだ2冊のうち1冊は、目の付け所がよく、理路がやや薄く、言葉遣いが軽率な部分がときおり目についた。うーん、またか。






そういう流れ、ほかにもジャンルがあれといいづらい本を数冊読んで、全部で結局何冊読んだのかよくわからない、ほかにほぼ日のアーカイブなども読んでいたが、この正月を振り返ってみて思うことは、


「考えている方向はおもしろいのだけれど媒介する言葉が微妙」


な本をけっこう読んでしまった、ということだ。贅沢な悩みではある。そして、わが身に振り返って考えておく。




正月休みの最後にはボルヘスの文庫本を3冊読んだ。どれもよかったが今のぼくではまだ歯が立たない部分がけっこうある。本棚に挿して、いずれまた手に取りたい。そういえば正月休みに入る前に読んだ『翻訳のストラテジー』(白水社)も大変よかった。あれもめくるめく言葉の世界に歯が立たなかったが恍惚とした。





蛇足だが、鬼滅の刃のマンガは、考えている方向はわりとよくあるのだが媒介する言葉が素晴らしいのである。