2019年8月27日火曜日

病理の話(358) いい医者かどうか

いつもに増して主観的な記事です。

病理医であるぼくから見て、一緒に働いていていい医者だと感じるランキング第1位は、

 字が丁寧

です、これにつきます。字が汚くても、大きくしっかりと書いてあれば十分読めるので好印象です。字を丁寧に書く人は、自分の持っている情報を相手に過不足なく伝えることで診療のレベルが向上することをわかっていて、そういう状況が常に起こるように意図し続けています。みんな忙しいから、ほんとは文章なんていつだって殴り書きしたいんですよ。それでもなお、丁寧に読めるように書いてる人は、情報の発信側と受信側の気持ちをいつも兼ね備えているわけですから、情報を俯瞰する力が強く、思考の筋道を狙って可視化しようと常に努力しています。複数人で働くための能力が高いです。情報の出所とレセプターそれぞれに心を配ることは、脳のスペックが低いと難しいです。

注意点として、「一人で働くだけで世の中の役に立つ人」は読めない字を書いていてもいいです。学者とかね。そういう人は、字なんてくだらないツールにステータスを振るのをやめて、脳のクロックスピードを上げることに全精力を傾けてほしい。むしろきれいな字書いてる研究者とか許せない。コミュニケーション至上主義者はブラクラを踏めば好きなだけ情報をコミュニケーションできるのでお試しください。

けれども、医療の99.99999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999999%の場面では、誰かといっしょに働いたほうが成果が向上します。たとえば医者と患者。たとえば患者と看護師。たとえば保健師と看護師。たとえば患者と事務員。組み合わせは無限にあります。病院だろうが在宅だろうが関係ないですね、検査室だろうがICUだろうが関係ないです。ネットに接続してないスマホが基本ゴミなのといっしょ、Wi-Fi圏外ですと言われたときのしょんぼり感。これと字が汚い医療者のしょんぼり感は全く一緒です。電卓にでも生まれ変わってろと思います。

話下手でもいいです。口数が少なくてもいっこうにかまいません。表情が能面でも全く問題ないです。四六時中大汗を書いていても支障ありません。ただ字が雑な人はほんとにだめですね、仕事のクオリティがオオバコの背丈より低いです。

字を丁寧に書くこと。

出した情報を受け取った人がどう思うかを瞬間的に気遣えること。

ほんとこれにつきるな。





病理医であるぼくから見て、一緒に働いていていやな医者だと感じるランキング第1位は、

 ツイッターアカウントのことを無邪気にたずねてくる

です。これにつきます。やめろ