2021年8月10日火曜日

翻訳の限界

目のまわりがごわごわしていて、昼過ぎくらいからときどき目を休めないとしんどくなる。鏡を見たら目の周りが真っ黒だった。

目のクマの部分の血流ってどうなってんのかな……。

そもそも眼球じゃなく目の周りの血流が悪いってのは何を意味するんだろうな……。

余計なこと(?)を考えつつ、なぜこんなに眼精疲労しているのか考える。


本を読んでいるからか? いや、今までとさほど量は変わっていないはずだ。

仕事が大変だったか? ここんとこ、それほど普段と変わらない。

トシのせいか? それにしてはここ最近で急激にぐっとしんどくなっている。


なぜかなーと思ってしばらく過ごしていた、そんなある日。

疲れて21時前に寝た日。ふと目が覚めたら、まだ23時半くらい。

ぼくはじっとりと寝汗をかいていた。窓を開けて寝ていたが、外気はあまり入ってこないようだった。

喉が渇いており、灯りをつけずに冷蔵庫まで歩いていって、寝る前に冷やしておいたお茶を飲む。

ぼくは、夜中に目が覚めてもわりとそのまますぐ寝入ってしまうことが多い。水分補給にいったん体を起こすところまで行くなんて、今日はなんだか珍しいなと思った。

そうか、最近夜が暑いから、知らず知らずのうちに眠りが浅くなっていて、何度も何度も目が覚めて、それで知らない間に寝不足になっているのかもしれない、と急速に腑に落ちた。単純に睡眠が足りていないのだ。


最近の札幌は寝苦しい夜もある。北海道以外で暮らす人からすると「何をあたりまえのことを……」と思われるかもしれないが、冬期にマイナス20度ちかくまで冷え込む地域で夜中に気温が25度を下回らないというのは、振れ幅が大きすぎて、ひるんでしまう。どうせみんなも冬の昼間に気温がマイナス10度とかになったら大騒ぎするだろう。それといっしょだ。ぼくは単純に寝苦しさの経験値が足りていないのだ。


目の周りが真っ黒になっている、イコール、目を使いすぎている、と、なにげなく推論していた内容がきれいに覆されて、いろいろなバイアスに騙されるもんだなと妙におかしかった。寝室の状況を改善しない限り、昼間にいくら目を大事にしたところで根本的な解決にはならないということだ。というか、昼すぎから目がしんどいと思っていたあれ、おそらく、「お昼寝しろ」と体が叫んでいたのだろう。ぼくは体の叫び声を聞くのがへたくそだ。でも、言い訳させてほしい。体が日本語で叫ばないから悪いのだ。なんだその、目の周りを黒くしてみました、目の感覚をゴワゴワにしてみました、ってのは。「体語」はむずかしい。「ラテン語たん」でも読み解けない、とくべつな外来語なのである。