2021年3月10日水曜日

おじゃる丸もだめ

なんか美女にフォローされたなーと思ったら、たいていは業者のアカウントである。


(※業者=URLに誘導してお金かせごうとしてるかんじのアレ 【同義】悪人)


ぼくはTwitterでフォローされたらまずその人のタイムラインを見に行くのだけれど、業者の場合、そもそも過去のツイートを遡るまでもなく、アイコンの写真でなんとなく「業者だな」とわかる。

10年もSNSをやっていると、「業者が乱用する美女アイコン」のオーラ的なにかが感じられるようになる。解像度というか……構図というか……色合いというか……。

おなじ美女であっても業者の美女はなんか違う。

何が違うんだろう?



たとえばここに美しい人がいるとする。美しい人はTwitterをはじめる。

アイコンの設定をする。アイコンとは自分の「顔」にあたる部分だ。自撮りを使うにしろ、風景写真を使うにしろ、マンガ・アニメ絵を使うにしろ、顔の代わりになるようなイメージで選ぶ。


ところがこれが業者だと、アイコンの選び方がなんか違う。

業者は、アイコンを、担当者の「顔と思って」設定しているわけではなく、うーん、えげつない言い方をすれば、「胸や尻だと思って」設定しているフシがある。直接胸やお尻の写真を載せているという意味ではない。そうではなくて、なんか、写真なら写真の、イラストならイラストの選び方の中に、「いい表情を選ぼう」という気概が感じられないというか、本人が一番いい角度を選んだというメッセージが一切伝わってこないというか。

とにかく「美女であるという情報」しか提示されていない、そのアイコンに対する本人の愛着がないなと感じるのだ。


写真のうまさの問題ではない。本人ゆえの感情移入がない写真というものがあるのだ。どれだけきれいな色味、すばらしい素材であっても、「このサイズでここに表示されるアイコンに私はこのような意味を背負わせたい!」という願いがしみ込んでいない場合、アイコンの内包する情感は低下する。さらに、そこに「下心召喚魔法」みたいなものだけがかけられているとき……


「人でなさ」が一気に感じられるようになるのだ。「人でなしさ」もにじむことがある。





最近は業者のアイコン設定もうまくなっている。一見、アイコンだけを見ると、「あれっ本当の美女なのかな」と思わせるケースも0.5%くらいはある。でも、そういうときも、タイムラインを少し遡って、貼られている写真を見るとだいたいわかってしまう。「このアイコンにこういう情感を載せている人間のツイートではない」と、網膜が危険信号を発するのだ。もはや言語化は不可能な部分もあるのだけれど、きっと、ディープラーニングなら追いつけるのではないかとも思う。この話は完全に「回数を重ねることで身につくド直球の経験側」なので、機械学習との相性はばっちりだろう。


本物の美女のアイコンはさりげなさがすごい。それがわかっていない業者など恐るるに足りないのである。なお、今のぼくが、今のツイート内容そのままに、実は中身美女……ということはあり得ないのだけれど、アイコンだけ美女偽装するならば、候補としては「カッパのイラスト」が上位に上がる。はなかっぱでもいい。忍たまはだめ。